八名地区に伝わる昔話です。あなたの地元にも今まで知らなかった昔話が伝えられてきたことが分かりますよ。
   
 八名の昔話
   
八名井地区
 
  釣鐘(つりがね)(しず)んだ田  

 昔,吉祥山(きちじょうさん)今水寺(こんすいじ)鐘楼(しょうろう)が火事になって,そこにつるしてあった大きな(かね)が,高いところからドッシンと落ちたひょうしに,山からころげ落ちていって,西の田の中に転がりこんでしまいました。
 ところが,その田んぼは非常に深くて,底なしといわれるほどで,鐘はどこまで沈んでしまったのか,(さが)すことさえできませんでした。
 それで,この田を「鐘入り田」というようになりました。田の中には,何本も松の木が渡してあり,それが足場になっていますが,女の人は絶対この田には入らないことになっているそうです。