八名地区に伝わる昔話です。あなたの地元にも今まで知らなかった昔話が伝えられてきたことが分かりますよ。
   
 八名の昔話
   
八名井地区
 
  (きっ)  (しょう)  (べん)  (てん)  

  吉祥山(きちじょうさん)山頂(さんちょう)から少し下がったあたりに、(たい)らでこんもりした森があります。ここには吉祥弁天がおまつりしてあります。
もとは山頂にあったのだそうですが、三河湾(みかわわん)(りょう)をする人が、ひずるしくて漁ができないということで今のところに移したといいます。
それで下宮(したみや)とよぶようになりました。
 八名井のどこに長者屋敷(ちょうじゃやしき)があったのかわかりませんが、"朝日さす夕日かがやく弁天の青木のもとに黄金千両(こがねせんりょう)"ということばが残っています。どこかに黄金がかくされているにちがいないというので、あちこちさがす人がありました。あるとき、下宮の弁天様のおまつりしてあるところを何者かが()って黄金をさがしましたが、何一つ出てこなかったそうです。八名井から見ますと、ここは朝日がいちばん先にさしはじめますし、ときわ木で(おお)われていることから、青木のもとはここにちがいないと考えたのだろうと思います。