|
富岡に「梅さ」という人がありました。この人がフナを釣ってきて,くしにさしておいたら,ヘビがやってきて,くしさらのんでしまいました。「梅さ」は,くしまでのんでしまってどうするだろう,と思って見ていると,ヘビは竹やぶに入って,ある草の葉を食べました。そうしたら,くしがみごとに抜けて出てきました。
そこで梅さは,「これはきっと,この草でとげ抜きの薬を作ったらよかろう。」と思いつき,さっそく作って売り出しました。これがまた妙薬で,どんなとげでも抜けてしまうと評判になりました。梅さは,「とげ抜きの梅さ」とよばれ,家伝の妙薬となりました。 |
|