八名地区に伝わる昔話です。あなたの地元にも今まで知らなかった昔話が伝えられてきたことが分かりますよ。
   
 八名の昔話
   
富岡地区
 
   (あら)  (さわ)  ()  (どう)  

 富岡の不動平(ふどうびら)瑞雲寺(ずいうんじ)というお寺があります。このお寺は、昔は、宇利峠の西の方にありましたが、いつの時代にか今の地に移ったのだそうです。そのころ門前に沢があったところから門沢(もんざわ)といっていました。その後、荒沢不動をお(むか)えしましたが、おかげで村が平和になり、お不動様が有名になって不動平というようになりました。
 不動明王(みょうおう)鎌倉(かまくら)時代の、1mほどの木造ですが、はじめのうちは目が金色に(かがや)いて、門前を馬に乗って通ると落馬するといわれるほどの力をもっていました。脇侍(わきじ)(せい)多伽(たか)童子(どうじ)矜羯羅(こんがら)童子がついています。この三尊像とも大変すぐれた作りでしたが、修理の際、金色の目が()られてしまい、それからは神通力(じんつうりき)を失ってしまったということです。