八名地区に伝わる昔話です。あなたの地元にも今まで知らなかった昔話が伝えられてきたことが分かりますよ。
   
 八名の昔話
   
小畑地区
 
   ()  (ぜん)  (いし)  

 おためしのある山の神の沢を少しのぼったところに,座禅石と呼ばれている2メートルほどの高さで,上に平らのある大石がある。ここでその昔,太陽義仲禅師(ぜんじ)が座禅をして(さと)りを開き,延命寺(えんめいじ)建立(こんりゅう)したのだといい伝えられている。
 このあたりは,雑木の生いしげるにまかせ,昼なお暗く,沢の音とともに山の神の霊気(れいき)のただよう心地がする。ここでの座禅は,岩の冷気と周囲の静寂(せいじゃく)さとにより,無念無想(むねんむそう)の悟りを開くには最もふさわしい場所であったろう。