八名地区に伝わる昔話です。あなたの地元にも今まで知らなかった昔話が伝えられてきたことが分かりますよ。
   
 八名の昔話
   
小畑地区
 
   (かがみ)    (いわ)  

 奥谷の大岩から30メートルほど東に寄ったところに,昔から「鏡岩」とよばれている大岩がある。幅10メートル,高さ8メートルもあり,山腹(さんぷく)から生えたような巨岩(きょがん)で,奥行(おくゆ)きのほどはわからない。真下(ました)には,小畑の伊藤家の地の神が(まつ)ってある。西向きに大岩は,表面がまっ平らの一枚岩で,西日に()えてまばゆく光る様子は,全く鏡岩の名にふさわしい。
 しかし,今はこの岩の前にヒノキが植えられて,2,30年も()っている。そのため,以前のような景観(けいかん)を見ることはできない。表面には,クズやツタが生いしげり,鏡の感じもないが,地の神の神域(しんいき)らしい気がただよっている。