八名地区に伝わる昔話です。あなたの地元にも今まで知らなかった昔話が伝えられてきたことが分かりますよ。
   
 八名の昔話
   
庭野地区
 
   田 の 平 の (だい) (じゃ)  

 庭野の奥になかのいい夫婦(めおと)の大蛇が住んでいました。
 ある時,女大蛇が山をおりて田の平の池まで水を飲みに出かけましたが,水を飲んでいる時,野火(のび)がおこりました。火はどんどん燃え広がって,とうとう池をとりかこんでしまいました。山の山腹(さんぷく)でこれを見ていた男大蛇は気が気ではありません。女大蛇は,どうすることもできなくて,火の中で燃えつきてしまいました。男大蛇もそこに立ちすくんで,悲しさのあまり石になってしまいました。池のそばには大蛇の骨が,()7はい半も残っていました。
 
今も,池のそばに小さなほこらが立っていますが,村神さまとよんで,この女大蛇をまつっているのだそうです。東の山の中腹(ちゅうふく)をみると,大きな岩がみえます。男大蛇の化石だと言い伝えられています。