八名地区に伝わる昔話です。あなたの地元にも今まで知らなかった昔話が伝えられてきたことが分かりますよ。
   
 八名の昔話
   
庭野地区
 
   い ぼ 神 様  

 竹合(たけあい)にいぼ神様があります。畑のぼたぐろに、子どもの頭ぐらいの石がごろごろところがっているところが、いぼ神様です。でも、ずっと昔は、竹合の人たちが新城の町へいくときの街道(かいどう)すじが、このいぼ神様の横を通っている細道だったということです。
 いぼのできた人が、いぼ神様に(がん)をかけるとなおるというので、遠くの方からもおまいりに来たそうです。願かけの方法も、いろいろあったようです。
(1) お盆にいぼ神様で燃やした松明(たいまつ)(はい)をつけて、願をかける。いぼがとれると、お礼に油揚げかお米をあげる。
(2) いぼ神様の石でいぼをなでながら、「どうかいぼをとってください。とれたらお盆の十六日に松明をたいておまつりをします。」と願かけをする。しばらくすると、知らんでいる間にとれてしまう。
(3) 米と塩をいぼ神様にあげて、「どうか、いぼをとってください。」とお願いをする。一週間目に、また同じようにしておがむ。それをくり返しているうちに、自然にいぼがなくなっていまう。