八名地区に伝わる昔話です。あなたの地元にも今まで知らなかった昔話が伝えられてきたことが分かりますよ。
   
 八名の昔話
   
中宇利地区
 
   白 山 平 と 白 山 神 社  

 昔は,雨生山(うぶさん)中腹(ちゅうふく)に白山様がおまつりしてありました。急な斜面ですし,そんなところのわずかな平ら(今では白山(だいら)といっておりますが)ですので,おまつりのときもさびしいものでした。林さんという人の先代(せんだい)が,「こんなところにおまつりしておいてはかわいそうな。」と思いました。ある晩のこと,ご神体(しんたい)をかついで山からおりてきますと,すぐ前を,それはそれはきれいな(むすめ)が先に立って歩いていくではありませんか。こんな夜中にふしぎなことがあるものだと,あとをついて北に向かってやってまいりますと,松林のあるところでどうしたわけか消えてしまいました。これはきっとここにおまつりせよということだろうと考えました。
 曽根(そね)氏神(うじがみ)として,白山平の見える杉林の中におまつりしてあるのが白山神社であります。