八名地区に伝わる昔話です。あなたの地元にも今まで知らなかった昔話が伝えられてきたことが分かりますよ。
   
 八名の昔話
   
中宇利地区
 
   お 産 の い っ つ ぁ ま  

 白山(はくさん)神社の前の鳥居(とりい)のわきに、背丈(せたけ)ほどのお(ほこら)があります。お産のいっつぁまと言われて、お(がん)をかけると必ず安産になるということです。
 お願のかけ方は、おまいりしてからその石をひろって帰り、膳箱(ぜんばこ)の中に入れておき、産月(うみづき)になったら(まくら)もとに石をおきます。無事にお産がすむと、おりつぼというのを作ってお礼(まい)りに出かけます。指くらいの太さの女竹(めだけ)の両端に節をつけた一節の間の中間を少し皮をのこして(けず)りとり、背中合わせのように()って、二本の上下をワラでしばります。この二つになったつぼに酒を入れたものを持っていって、供えておまいりします。