八名地区に伝わる昔話です。あなたの地元にも今まで知らなかった昔話が伝えられてきたことが分かりますよ。
   
 八名の昔話
   
中宇利地区
 
   の ま ず の 沢  

 中宇利の雨生山(うぶさん)のふもとの沢や福津(ふくづ)にある沢に,のまずの沢とよばれている場所があります。雨生山の沢は,滝山(たきやま)くずれのとき血刀(ちがたな)をここで洗ったので赤いのだといわれています。この水を飲むと必ず下痢(げり)をします。
 福津ののまずの沢はまた,勝負(しょうぶ)の沢ともいわれています。福津にある阿難仏(あなんぶつ)のご開帳(かいちょう)の時,出店をとりしきっていたバクチ打ち同士がけんかになり,血刀を洗ったので赤くなったのだといいます。また,南北朝時代にこのあたりに戦いがあり,ここで血刀を洗ったから赤くなったのだともいわれます。それを飲むと,きっと(はら)(いた)くなるといわれています。