八名地区に伝わる昔話です。あなたの地元にも今まで知らなかった昔話が伝えられてきたことが分かりますよ。
   
 八名の昔話
   
黒田地区
 
   城 山 く ず れ  

 今から450年ほど前(1529年)松平清康(まつだいらきよやす)が宇利城の熊谷(くまがい)実長(さねなが)直利(なおとし))を攻めた。はげしい戦いの末、ついに宇利城は焼け落ちてしまった。
 そのとき、城兵(じょうへい)たちは裏山(うらやま)づたいに落ちのびていったが、黒田あたりまで来て()ち死にしてしまった。村人たちはかわいそうに思い、所々に(つか)を作ってまつった。それを城山(しろやま)くずれとよんだ。開拓(かいたく)のとき、一か所に集めてまつったりしたが、線香(せんこう)というところには、昔のままの塚が今でも残っている。この城山くずれをふんだり、草を刈ったりすると、「おこりをふるう」といって、おそれられている。