八名地区に伝わる昔話です。あなたの地元にも今まで知らなかった昔話が伝えられてきたことが分かりますよ。
   
 八名の昔話
   
黒田地区
 
   の ん ど り  

 ちょっと昔,農繁期(のうはんき)ともなると,どこの農家でもネコの手も借りたいほどのいそがしさである。夫婦そろって田んぼに出かけるので,小さな子どもは田んぼのくろなどで遊ばせておくのがふつうである。
 もっと昔,子どもをつれて田んぼへ出かけたお百姓(ひゃくしょう)さんが,ちょっと目をはなしたすきに,それはそれは大きなウナギが出てきて,またたくまに子どもをのみこんでしまった。それから村の人は,だれというともなくそのあたりを「のんどり」というようになったという。