八名地区に伝わる昔話です。あなたの地元にも今まで知らなかった昔話が伝えられてきたことが分かりますよ。
   
 八名の昔話
   
黒田地区
 
   黒 田 の (おお) (くす) の 木  

 昔,本光寺(ほんこうじ)境内(けいだい)に大きなくすの木があったそうな。今はその木の()りあとに,円形に石垣(いしがき)を作り,まん中にお(ほこら)が建てられている。それによって,その昔の大木の雄大(ゆうだい)さがしのばれようというもの。くすの木は,目通り17メートルという大木であったという。
 明治34年12月25日,静岡県引佐郡(いなさぐん)三ヶ日町鵺代(ぬえしろ)の夏目文内氏に,金2,226円で売り渡された。夏目氏は,四国から樟脳(しょうのう)製造師(せいぞうし)(たの)み,(かま)を作ったそうだ。
 その代金は,黒田の家々に配分されたり,区費にされたという記録が残されている。