八名地区に伝わる昔話です。あなたの地元にも今まで知らなかった昔話が伝えられてきたことが分かりますよ。
一鍬田地区
龍宮
(
りゅうぐう
)
から持ち帰った
人魚
(
にんぎょ
)
昔から,
一鍬田
(
ひとくわだ
)
のかいくら
淵
(
ぶち
)
は
龍宮城
(
りゅうぐうじょう
)
に続いているといわれていました。
ある時,村の人たちがお
庚申様
(
こうしんさま
)
の夜,その龍宮城に
招待
(
しょうたい
)
されました。夕食のごちそうに人魚が出されましたので,だれも気味悪がって,それには手をつけませんでした。ところが,その中の一人がめずらしいと思って,家へ持って帰りました。それを見つけた女の子が,知らずに人魚を食べてしまいました。
それから何年か経ちました。けれども人魚を食べた女の子は,年はとりましたが,少しも老人の顔つきにはなりません。いつまでも,若い
娘
(
むすめ
)
のままだったという話です。