旗頭山古墳(愛知県指定文化財)

 この古墳は,豊川市金沢町と新城市の境界にあります。金沢側のふもとの1号墳から始まり,全体で34の古墳がありましたが,新城側の25号墳から34号墳は,すでに崩壊してしまっています。
 
          旗頭山古墳

 旗頭山の尾根づたいに24の古墳が現存しています。一般的な古墳は,石室を土でおおいますが,この古墳は,大小の石を積み上げて造られています。朝鮮半島で発達した積石塚といわれる古墳がみられることです。そのため渡来人の墓との説があるそうです。
 
           旗頭山古墳

 金沢側からの尾根には積石塚古墳がみられますが, 1号墳から15号墳は石と土を用いた半積石塚で,17号墳から24号墳はすべて積石塚古墳だそうです。写真は金沢側から旗頭山の尾根を見上げたところ。
   
 
         旗頭山頂上付近

 左手の標柱は旗頭山尾根23号墳,中央の標柱は同 24号墳と記されています。
 
         旗頭山頂上付近から 

 25号墳の東側は採石により断崖となっています。写真は頂上付近から西側の尾根を見下ろしたところです。
  
 
            旗頭山からの眺望 ①

 このような眺望が開ける場所に古墳が造られたのはなぜでしょうか。
 写真は江島,豊川方面です。
 
         旗頭山からの眺望 ② 

  写真は北方面,後方の山は本宮山です。
 
         旗頭山からの眺望 ③

 写真は東方面,新城方面が見えます。天正元年の野田の戦いの時,浜松から駆けつけた家康が,一時3千人を率いて布陣した山でもあります。
 
         旗頭山への登り口

 旗頭山へ登るには金沢側から登るのが安全です。長慶寺の墓園から登ることができます。墓園近くには写真のような案内板があります。
 なお,新城側からは柴田興業の採石場を通らないと登れません。危険を伴いますのでお勧めできません。
 
         復元された旗頭山26号墳

 昭和52年の発掘調査後,市内の小中学生が積石をふもとまで運び下ろしたそうです。それを桜淵公園にある青年の家の駐車場横に復元したのです。これがこの写真です。
  
 
       復元された旗頭山26号墳の案内板

 古墳は積石塚の円墳で,直径約6.5m,高さは約1.5mです。石室の実測図などのくわしい説明は,実際に見て確認してください。